09.17
Tue
![]() | ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫) (1989/10/30) ジョン・アーヴィング |
ジョン・アーヴィングの小説の読むのは「サーカスの息子」以来,2作品目.
本作はアメリカの一家の物語だった.お父さんとお母さんが出会って,兄弟たちが生まれて,皆が大人になるまでの顛末.
「サーカスの息子」と同じく,異様な雰囲気の漂う作品だった.この作家の小説に出てくるキャラクターは変な人間ばかりだ.というか,著者はキャラクターの欠落した部分が執拗に描かれている.そして,まともな人間(すくなくとも著者がそう描いている人物)は,だいたい途中で死ぬ.それも,ショック死とか,爆死とか,飛行機墜落など,変死を遂げる.異様な登場人物たちが,異様な事件に巻き込まれるという,ハチャメチャなお話なのだけれど,ある種の切実なものが伝わってくる.帯の推薦文にあった「生きてていいんだという感じ」という感想が,自分にもしっくりきた.
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