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01.31
Fri

自己が心にやってくる自己が心にやってくる
(2013/11/22)
アントニオ・R. ダマシオ



アントニオ・ダマシオの最新作.
脳に心が生まれ,やがて「自己」というプロセスが発生するまでのシナリオを描いている.
(ただ,いわゆる「ハード・プロブレム」には切り込んでいないし,その単語も出てこない.「意識」の本は著者によって扱っている問題が違うから気をつけないといけない.)

自我のプロセスは脳の内側の,脳幹や脊髄に宿っているというのが著者の主張(の一つ)だ.
脳の外側の大脳皮質は確かに記憶を蓄えたり,外界の緻密なマップを描いたりするうえでは必須なのだけれど,進化的にはオプションパーツでしかない.これを読んだ後では,「自分」のいる位置が頭蓋骨内で少し内側の位置に引き下がったような気分になった.なんとなくだけど.

この本に書かれていることのほとんどは,もちろん,まだまだスペキュレーションの段階だ.
でも,これだけディテールの細かなシナリオをつくれるのは,脳や心理現象の研究を長年続けてきたからこそだろう.




ジェフ・ベゾス 果てなき野望ジェフ・ベゾス 果てなき野望
(2014/01/08)
ブラッド・ストーン




アマゾンとはどんな会社なのか?
その創業者にして現CEOのジェフ・ベゾスに焦点を当てて解き明かすノンフィクション.

なんでも揃っていて,異常に便利で,情報源としての価値があり,そして押し付けがましくない.僕らが顧客としてアマゾンに対して持っているプラスのイメージを,アマゾン=ベゾスが,いかに骨身を削って作り上げてきたか.
ウォルマートやアップル,バーンズアンドノーブルやグーグルなどから人材を引き抜き,彼らに不可能と思われるような新事業を実現させる(高い要求に耐えかねて数年で辞める者がほとんどなのだが,ベゾスのもとへはつねに優秀な人材は供給され続ける).他社に真似できない低価格・高水準のサービスを実現するために,社内では徹底的に倹約し,身銭を切ることで薄利の事業にも乗り出す.

ベゾスは自分自身のこと(あるいはアマゾンのこと)を「"mercenary"(利益を求める者)ではなく"missionary"(使命を全うする者)だ」とよく言うらしい.強力な使命感によって突き進み,利益に浴していた既存の業界をなぎ倒し,人々にとって「よりよい世界」が実現する.まさに「使徒」のイメージ.そこまで彼を駆り立てるのはなんなのか...

アマゾンという会社やベゾスという個人について,とてもよく分かった気になった.
それ以上に,「いまこの世界が誰によってどう動かされているのか」の一端が見えた気がした.




善き書店員善き書店員
(2013/11/13)
木村俊介



書店員へのインタビュー集.「ふつうの人」に対してここまで長いインタビューをすることはあまりないらしく,ジャーナリズムの手法としても新しい試みだそうだ.(そのことは最後の章に書いてある.)

前の本でのベゾスの超人ぶりと,この本に出てくる書店員の方々の地に足のついた感じが対照的だった.
(この二冊を続けて読んだのはたまたまだったのだが,図らずもバランスがとれた.)

「善き書店員」というタイトルはいいなと思った.
能力や成果とは関係のない「善い仕事ぶり」というのは,確かにある気がする.
学生時代,私は「善き自転車販売店の店員」でも,「善き塾講師」でもなかった.仕事に対する苦手意識が拭い去れず,どこか及び腰でその場しのぎだったから,上司にも何度も怒られた.今の仕事で善く働けるかは今後次第.
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